文学に学ぶ・・・
文豪;谷崎潤一郎氏の随筆で、日本の伝統美を陰翳の中に見出す興味深い作品です。この随筆は私にとっては最高の参考書になりました。


---<前略>---
左様にわれわれが住居を営むには、何よりも屋根と云う傘を拡げて大地に一廓の日かげを落し、その薄暗い陰翳の中に家造りをする。
---<中略>---
美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを餘儀なくされたわれわれの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。事実、日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生れているので、それ以外に何もない。
---<後略>--- 
※出典:陰翳礼讃より


便利さを追求すると明るい空間が求められることが多くなりますが、人は本来、暗がりとも共存してきたために、どこか落ち着く、どこか畏怖を感じたりという感性を養って来たのでしょう。

日本の伝統的な家屋に在る「闇を纏った薄暗い天井」と「光が這う座敷の床」という空間演出手法はこの随筆に学んだものです。

■木漏れ日屋根の家 
 木漏れ日注ぐ樹木の微かな陰翳そのものを屋根と見立てた空間です。
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■光が這う座敷の床と闇を纏った薄暗い天井の書斎
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