熊本ではかつて経験したことのない連続した大地震
ニュースではショッキングな映像とともに被災状況が報じられています。

熊本は新地団地という巨大なプロジェクトに関わったご縁で長年足を運んだ土地でもあり
見慣れた風景が崩壊している姿を目にすると心が痛みます。

そのような状況下で我々は何ができるのだろうと考えさせられます。


私の経験ですと
阪神淡路大震災の時、建築士会青年部長として青年部のメンバーとともに被災地に乗り込み
「被災建築物応急危険度判定」を行いました。

震災4日後という周囲にはガスの臭いや焦げ臭い匂いも残る中、まるで映画でも見ているかのように破壊された建築物を目の当たりにして、正直な気持ちとてもショックを受けました。

被災建築物応急危険度判定とは大災害が発生した後に被災した住宅の安全性を判定するというもので、この阪神淡路大震災を契機にスタートした制度です。
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当時は具体的な指針も整備されていない状態でしたから、建築士としての知識や経験に基づいて目視で危険度の判定を行うという応急処置的な判定でしたが、危険な場所に居座り続けた人を説得し、安全な場所に避難するように助言するケースもありました。



建築に関わる立場も人それぞれで
知人の建築家:坂茂さんは紙の建築や間仕切りシステムを用いて
被災地での生活環境を少しでも改善して、人々の生活を支援する取り組みをしていらっしゃいます。
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「避難所用間仕切りシステムの提供について」http://www.shigerubanarchitects.com/works/2016_kumamoto/

坂さんらしい、坂さんならではの素晴らしい取り組みだと思います。


これらの他にも復興の段階に応じてもいろんな取り組みがあるでしょう。

被災地支援にとどまらず、手掛けている設計活動においても重要です。
先日も、安全性確保が難しい既存擁壁を新しく造り替える提案もクライアントさんに快諾頂き、
「今回の地震報道を見て、
 構造的にしっかりした擁壁に造り替えをすることになってつくづく良かった。」
と嬉しい言葉をいただきました。

建築家として、正しい方向への助言や提案をし続けることを常としていきたいものです。



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